インフルエンザワクチンに水銀が防腐剤として入ってる!?安全性は?
冬といえばインフルエンザが流行する季節です。
予防としてインフルエンザワクチンの予防接種を
受けられる方も多くいらっしゃいます。
「インフルエンザワクチンには防腐剤として水銀が入っている」
こんな事を聞いたことはないでしょうか?
水銀というと水俣病の原因になったこともあり、
怖いというイメージを持っている方も多いでしょう。
インフルエンザの予防接種は老若男女、子供から妊婦まで
様々な人が受診するものです。
インフルエンザワクチンの安全性は大丈夫なのでしょうか。
そこで今回の記事では
・インフルエンザワクチンに水銀は本当に入っているのか?
・インフルエンザワクチンの安全性は本当に大丈夫なのか?
・妊婦や小さい子供に
インフルエンザワクチンを接種させてもOK?
といった疑問に答えていきます。
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Contents
インフルエンザワクチンに水銀は入っているのか?
結論から言えば、
インフルエンザワクチンには防腐剤として、
チメロサールという水銀が含まれています。
ただ、ここで注意して頂きたいのが使用されている、
チメロサールという物質は、人体にとって非常に有毒な
水俣病の原因となったメチル水銀とは全く別のものということです。
防腐剤に使用されているチメロサールは、
ごく微量でも強力な抗菌作用があり、また水に溶けやすく、
体外へ排出されやすい性質を持っています。
そのため約60年以上の長きに渡り、
ワクチンの保存剤として世界各国で使用されてきました。
つまりチメロサールという名称の人体に有害な水銀とは
全く異なる水銀が殺菌のためにいれてあるということですね。
メチル水銀とチメロサールの違いとは?
次に水俣病の原因となった「メチル水銀」とワクチンに使用されている「チメロサール」の
違いについて書いていきます。
メチル水銀・・・メチル水銀は体外へ排出されにくく、一度入ってしまうと
長期間に渡って体内に残存することになります。
またメチル水銀は脳に移行しやすく、脳に留まることで、
運動失調や感覚異常など様々な中枢神経障害が現れます。
チメロサール・・・強い殺菌作用のある水銀化合物で、正式名を
エチル水銀チオサリチルナトリウムと言います。
チメロサールは人体に入ると、エチル水銀とチオサリチレート
に分解されます。エチル水銀の安全性については、
現在のところ完全には分かっていないのが現状です。
分かっているのが、水に溶けやすく、体外へ排出されやすい。
ごく微量でも強い抗菌作用がある。といった特徴です。
チメロサールがワクチンの防腐剤として使われていて、
抗菌作用があるのはわかったけど、結局安全性はどうなのでしょう?
ここからは、様々な角度からワクチンに含まれている
チメロサールの安全性について検証していきたいと思います。
チメロサールの危険性はどの程度なのか?
チメロサールはこれまで、約60年に渡り世界で
ワクチンの防腐剤(保存剤)として使用されてきました。
これまでチメロサールによる健康被害は報告されていません。
健康被害でチメロサールについて1番大きく話題になったのが
チメロサールと自閉症との関連についてです。
一時期アメリカで、ワクチンに含有されるチメロサールにより
乳幼児が自閉症になりやすいということが指摘された事があります。
これは自閉症の症状と水銀中毒の症状の類似性、定期の予防接種を
受けることで基準を超える水銀の暴露を受ける可能性があること、
自閉症の生化学的異常と水銀中毒の生化学的異常の類似性、
といったことからの指摘です。
これらの指摘を受け
チメロサールと自閉症の関連について様々な
研究がこれまで行われましたが、関連性を示すデータは無い
と結論付けられました。
一例をあげておくと、
デンマークで1990年〜1996年に生まれた467,450人の子供を
対象としてチメロサールと自閉症の関連性について研究が行われました。
チメロサール含有ワクチンと接種した子供と非含有ワクチンを接種した子供の
自閉症の比率を比較しましたが、関連はみられませんでした。
また1,990年代には世界的な保険機構である
WHO(世界保健機構)から
「エチル水銀は腸管から盛んに排出されるので、ワクチンの中のチメロサール
にさらされた小児、成人における毒性を示す根拠は無い」
ということが示されています。
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インフルエンザワクチンに含まれるチメロサールの量はどの程度なのか?
インフルエンザワクチンに含まれるチメロサールの含有量は
注射液1mlあたり0.004〜0.008㎎(4〜8μg)です。
チメロサール(エチル水銀)の接種量の安全基準は、
より毒性の高いメチル水銀の基準が適用されており、
1日あたりの接種量の基準値は
EPA(米国環境保護庁)は 0.1μg/kg体重/日
WHO(世界保健機構)は 0.22μg/kg体重/日
としています。
現在行われている、1回の予防接種につき
3歳未満の子供だと0.25ml、3歳以上だと0.5ml投与されるので
チメロサール(エチル水銀)が1回の予防接種で
3歳未満だと 0.05~0.1μg/kg体重
3歳以上だと 0.05~0.1μg/kg体重
程度投与されることになります。
つまり、1回の予防接種のチメロサール接種量は
EPA及びWHOの定める基準値以内であり、
極端に言えば、每日予防接種を受けても全く問題ないのです。
また、さらに分かりやすい例で言えば、
私達が日々食べている魚介類にはエチル水銀よりも遥かに毒性が高い
メチル水銀が含まれています。
特にマグロやカジキ類など食物連鎖の上位にいる生物には、
メチル水銀が多く含まれていると言われ。
お刺身などを食べると、
予防接種の数倍の量のメチル水銀を接種することになるのです。
つまり、予防接種には人体に無害なように、
無視できるぐらいのチメロサール(エチル水銀)
しか含まれないよう計算されワクチンは作られているです。
妊婦や小児にインフルエンザの予防接種はしても良い?
特に心配になのが、妊婦や小児にインフルエンザワクチンの
ワクチンを予防接種する時ですよね。
妊婦や小さい子供はより有害物質の影響を受けやすいので、
不安になる気持ちも分かります。
安全性について問題が無いと言われていますが、
明確にエチル水銀自体の安全性がされていない部分もあるので、
より安全を期すために、
現在、厚生労働省はチメロサールを減らす方向で動いているようです。
ちなみに2000年代に入りチメロサールのワクチン含有量は
1/10程度に減らされました。
そういったより安全性を高める動きもあるので、
個人としては安全性に問題は無く妊婦や小児も予防接種を受けるべきと考えます。
もし、どうしても不安な場合は
少し費用が高くなりますが、チメロサール(エチル水銀)が
含まれていない「チメロサール フリー」のワクチンがあります。
医師の判断で「チメロサール フリー」の予防接種は採用
されていますので、受けることができる医療機関を探し、
接種されるのが良いかと思います。
まとめ
インフルエンザワクチンに水銀が含まれているのか?
また、ワクチンが本当に安全なのか?
について書いてきましたが、どうだったでしょうか?
少しでもインフルエンザワクチンについて分かったと
感じられたのなら幸いです。
この記事を読み、
予防接種を受ける際の選択基準の一つにしていただければと思います。
ありがとうございました。